茶臼岳へ登った

茶臼岳へ登った

山頂駅から降りると景色を一望できる。青空に大き目の雲が浮かび、地上にその影を形作る。街中で見える木陰や日影と違いは無い。地上の人にはイメージが湧かないだろうし、実際に太陽が雲に隠れても思ったほど暗くは感じないだろう。それが山の上では別の印象になる。

山を登っていく。1.1kmで50分という長丁場だが、石と砂の坂道が歩みを遅くする。道中写真スポットを探しながら、目立つモニュメントを探す。特徴的な石であったり植物であったりだ。植物はすべて背が低く、基本的には石が撮影対象だ。

登り始めは非日常の景色を楽しめるが、慣れてくると苦行と課す。足元を見ながら歩く方が安定するため、うつむきながら漫然と足を進めることになる。写真を見返していると石の写真ばかりで飽きてくる感覚が登っているときの感覚とリンクした。

頂上の祠についた。山登りをしている人にとっては達成感があるだろうが、私は祠の写真を撮ろうという思いと、これ以上登らなくていいという安心感が大半である。達成感がある方が生きてて楽しいとは思う。

写真はトンボが大量に写っていてそこまで綺麗でもなかった。被写体をトンボにして撮ればいいのだが、動体を綺麗に撮る技術はない。ちなみにトンボは夏場は気温の低いところに行くため、山頂の涼しい場所に大量にいると思われる。

景色はよかったが写真で見るとトンボが写ってそうでもない。写真のノイズのような映り込みが心を荒ませる。

帰りは立ち回り良く進む。比較的大きな石を足場にして滑らないように歩いて行った。